【アクセス劣悪!アウェイの洗礼】藤枝遠征
ひんやりと空気が澄んだ朝だった。
日曜日、AM5:30。
「また負け試合を観に行くの?」
背中から聞こえる嫁のブーイングを物ともせず、ひとまず新宿を目指した。
僕はサッカー Jリーグの大分トリニータというクラブのサポーターだ。
大分トリニータは大分県を本拠地とし、一昔前は日本代表選手を擁しナビスコカップ王者になったこともあるが、今は訳あって(お察しください)J3という3部リーグに属している。
この日我がトリニータは、静岡県藤枝市にて藤枝MYFCとのアウェイゲームを控えていた。
「また負け試合を観に行くの?」
たしかに今は3部リーグだ。しかも3部に落ちてなお調子が上がらない。
もう忘れたいが、実は先日栃木に遠征し、負けた。
日本の3部リーグの応援に往復8時間かけて日帰り遠征する。
我ながら変態だ、ド変態である。
新幹線でのVIP遠征にしたかったが、財務大臣の決裁が下りず高速バス。
4月に開業したばかりの巨大バスターミナル「バスタ新宿」へ向かう。
初めて利用したが無機質で面白みに欠ける。
まずそのネーミング。
バスターミナル新宿、略してバスタ新宿。
まじ安易!安易すぎる!
そもそも年配の人にはバスタなんて言葉なじみにくいし、覚えにくかろう。
「なんじゃそれは。あれか、みんなよく巻くやつか」
おじいちゃんそれパスタ!!!
僕は静岡駅ゆきのバスに乗り込んだ。
気合いを入れて数日前にWEB予約カード決済をしたが、車内はガラガラで肩透かし。
割り当てられた座席は「1A」。
張り切りすぎた。開店前のパチ屋に先頭で並んでいるような感覚に陥り、一瞬羞恥心に支配されかけるも、持ち前の”すぐ寝れる”を発揮し、
気付けば足柄SAでの休憩。
綺麗なサービスエリアだった。
そこから見える富士はもっと綺麗だった。
さらに進み静岡駅到着。
静岡駅はリアルにお茶の香りが漂っていた。
そこから在来線で15分。
藤枝駅に到着。
なんもねえ。思ってた以上になんもねえ。
藤枝はサッカーどころで、多くのサッカー選手を輩出している。
日本代表キャプテン 長谷部誠も藤枝出身だ。
さて、ここからが問題だ。
藤枝駅から藤枝サッカー場までのアクセス問題。
通常Jリーグの試合では最寄駅から会場までシャトルバスを運行することが多いのだが、いかんせん3部リーグ。
そんなハイカラなものはないようだ。
となると次は公共交通機関だ。
藤枝市自主循環バス下車、徒歩10分、とある。
ええやん、ええやん。
しかし、アウェイはそんなに甘くなかった。
時刻表を見て愕然。
1時間半に1本。
少ない、少なすぎる。
試合開始に間に合わない。却下。
ならばタクシーか。
計算してみる。
往復4,000円。
新宿→静岡が片道2,300円であることを考えると、コスパが悪い。
何のためにバスにしたんだ感が蔓延したため却下。
徒歩はどうだ。
オーケーグーグル!
「藤枝駅から藤枝サッカー場まで徒歩!」
・・・・テテン!
グ「トホデ 1時間20分クライカカリマス」
お、おう・・・・オッケーグーグル・・。
諦めきれない僕は、違う路線バスがないか藤枝市のホームページをなめ回すように徘徊した。
すると、隅に一筋の光が。
「レンタサイクルやってます」
うおおおおお、盲点!
駅前にある駐輪場の事務所へ行ってみる。
僕「すみませーん、レンタサイクル借りたいんですけどー」
おじさん「あいよお。この人たちと同じ?」
驚いた。僕の前に数名のトリニータサポーターが。
同じ境遇の同志たちとの遭遇に安堵感。
レンタル料500円を支払い、ついに移動手段を手に入れる。
やった、やったよ、アウェイ遠征なんてちょろいぜ。
そう思ったのもつかの間。
おじさん「はい、じゃあ君のはこれねー」
ピンク。
しかも淡いピンクとかじゃない、真っピンク。
市がチョイスした色とは思えない。
なぜだ、なぜピンクにしたんだ。
しかも無駄に電動。
カゴの先端にでかでかと掲げられたプレート。
「ぐるリン」
じわる。
仕方ないのでピンク号にまたがり、こぎ始める。
ものの数十秒後、
前方から地元のJK集団がこちらへ歩いてくる。
ここは田舎の一本道。脇道などない。
完全に逃げ場を失った。
ええい、ここは中央強行突破だ!
僕は見た。
すれ違いざまに、こちらを見てクスクス笑う姿を。
僕には聞こえた。
「あれ借りる人ほんとにいるんだwwwwww」
「超ピンクwwwうけるww」
母さん、僕は縁もゆかりもない初めて来た町で、JKにクスクスされています。
そこそこのメンタルダメージ。
これがアウェイの洗礼か!
その後は実に優雅なサイクリング。
快晴で風が気持ちいい。
ミスチルは唄いました。(Sign)
「緑道の、木漏れ日が、君に当たって揺れる。」
現実はこうだった。
「大量の、虫たちが、顔に当たって跳ねる。」
本日2度目のアウェーの洗礼。
それでもグーグルマップの完璧なナビゲーションにより順調に走行していた。
とうとう次の道を曲がれば目的地到着というところまできた。
グーグル「次を右です」
ここまでパーフェクトだったグーグルマップは最大のミスを犯す。
角を曲がった次の瞬間、
いや、階段やん。
うおおおおいグーグル!!!
高低差考えろやああああ
高 低 差 !
KOU TEI SA !!!
覚悟を決め自転車を担いで、階段を上がった。
重い。そういえば無駄に電動だった。
重さのほとんどを占めるバッテリーを引っこ抜いて、室伏よろしくでブン投げたくなった。
やっと到着した。
さすがはサッカー専用スタジアム。
選手との距離が近くとても見やすかった。
アウェイにもかかわらず、ホームチームより多くのサポーターが駆けつけ、完全にアウェイジャック。
試合も2-0で快勝し、来たかいがあったなと思わせてくれた。
↓試合ハイライト
そして試合後は恒例の勝利のダンス。
安定の伊佐の工藤静香、そしてこの日スーパーゴールを決めた勢いでキャラじゃない清本が巻き添えに。
辿り着くまでに紆余曲折あったものの、勝てば全てオッケーなのだ。
みなさんも藤枝へ行かれた際は、ピンク号で。
鹿児島県の霧島ホテルの温泉が世界一すばらしい件
先日、小・中の同級生の結婚式に参列するため鹿児島へ行ってきました。
小学生のときに「ドンキーコングごっこ」と題した大して面白みのない遊びに夢中になり、届くはずのない距離をドンキーコングのように飛び移ろうとしてバスケットゴールから派手にダイブ→骨折していた彼がこんなに立派になり目頭が熱くなりました。
懐かしい同級生の面々も多数参列し、非常にナイスなサタデーだったわけです。
―翌朝。僕は友人の「辻」と会うことになっていた。
鹿児島へ行く1週間前に届いた1通のLINE。
辻「最強の温泉連れて行ったるわ」
震えた。自称温泉好き、温泉パラダイスの鹿児島で育ち一通り温泉のことは分かっているつもりだった。それを見透かすかのような一言。
そんな辻は、僕がチェックアウトを済ませたホテルの正面に車を付けた。
「辻と行く 最強の日帰り温泉ツアー」が始まった。
辻のワゴンRが、はとバスに見えてきた。
辻【つじ】 辻こと辻村君は僕の小・中の同級生で、大学がお互い大阪だったためディープなミナミの街で夜な夜な遊んだ戦友である。
堂本剛の歌真似はピカイチでカラオケに本人がいると思われドアを開けられた経験がある。
また禁煙中に我慢できずアメ村に落ちていた真新しいタバコを1度拾って、悩んで、そっと置き、人間を辞めなくて済んだ経験もある。
2人でいるとよく喋るが、実は人見知りが激しく、休日は基本引き籠り、別の名を「とにかく根暗な辻村」とも。
今回訪れたのは霧島温泉郷。鹿児島市から車で北へ1時間とほどよい距離。空港に近くアクセス◎。
鹿児島=温泉のイメージはあるけど、温泉街を挙げろと言われて霧島の名前はなかなか上がらないのではないだろうか。
全国的には「霧島?黒霧?飲み方は?」ってな具合だろう。一番有名なのは指宿かな。もちろん指宿は素晴らしいし、浦和レッズだってキャンプに来る。
ただ霧島は知名度こそ劣るが、湯質と湯量は実は鹿児島No.1なのだ。(このへんはあらかじめWikipediaで予習済みなのだ。)
霧島は坂本竜馬が新婚旅行で訪れた地としても有名だったりする。
道中、車酔いで僕のオートリバース機能が発動しかけるハプニングに見舞われながらも、なんとか着いた。
温泉街特有の硫黄の匂い、いたるところから立ち上る湯煙。これだけでテンションアゲアゲだ。
温泉街らしくたくさんの旅館・ホテルが軒を連ね、その多くで日帰り入浴が可能だ。
今回温泉ソムリエ辻がチョイスしたのは「霧島ホテル」。
ロビーに足を踏み入れると高級感漂う雰囲気。料金を払い、いざ大浴場へ。
脱衣所はカゴだけのタイプか。財布だけでも貴重品ロッカーに入れておくか。
ここで事件が起きる。
・・・閉まらない。
僕の長財布はどう頑張っても5cmはみ出る。
ふと脱衣場の方に目をやると数人が一部始終を見ている。このまま諦めて風呂に入れば、僕の財布は丸腰だ。
この時、一時は抑えた車酔いオートリバース機能がスイッチオンしかけ、なにが最強の温泉だと来たことを後悔した。
さらに壁に目をやると、こんな注意書きが。
いや、こども全身沈んでるやん!!
横で微笑む辻。グルか、こいつらグルか!?恐ろしい。。。
不安と吐き気で胸がいっぱいになりながら、いざ入浴。
ここからは撮影不可区域のため霧島ホテル公式HPより写真を拝借。
見よ、この広さ!これすべて源泉かけ流しというから驚き。ものすごい湯量。
しかも立っていても胸のあたりまでお湯がくるほどの深さ。そりゃこども沈むわ。
車酔いもあっという間に吹き飛び、極楽である。ここまで来たかいがあった。マンモスうれぴーである。
この源泉プールのほかにも、多種多様な風呂があるのでぜひ楽しんでほしい。
しかも入浴料はたったの1,000円。コスパ最強。マンモスうれぴーである。
入口に堂々と掲げられている、「これが温泉だ!」。 まったくもってその通りだ!
そしてここ、実は混浴なのです。しかしレディースタイムが設定されており、女性も安心です。
辻の言うとおり本当に最強の温泉だった。
わざわざ行く価値がある温泉。みなさんもぜひ鹿児島へ、そして霧島へ、そして霧島ホテルへ足を運んでみてはいかがだろうか。
今回レポートを書くに至ったのは、鹿児島はポテンシャルが高いのに、鹿児島人は発信するのが下手だな、もったいないな、もっと鹿児島に人が来てほしいな、という思いからだ。(たまたま乗ったタクシーの運ちゃんも同じようなことを言っていた。)
温泉、人情味、旨い飯・酒。すべてがそろった鹿児島へみんなで行ってみてください。
この後、鹿児島市内へ戻り焼酎、鳥刺などを堪能し、東京へ。
KING OF ONSEN!
〒899-6603 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3948
TEL.0995-78-2121 FAX.0995-78-3001
営業時間: 11:00~17:00(受付時間11:00~17:00)